レースコラム

サーキット走行の常識

嫌われ者にならないために・・~サーキットの常識~

コース以外で飛ばさない

サーキットに行くと、気分が高揚してレーサー気分全開なのはわかります。
けど、コース以外の駐車場や、ピットロードでスロットル全開はだめっ。
特にレースの日は、駐車場はいっぱいで小さなお子さんもいるし、妊娠中のママさんだっているわけです。
「コースインに間に合わない」なんてことは言い訳になりません。駐車場内でも、人をはねたら立派な交通事故です。

ピットロードで転倒するのも速度を落としていない証拠。コース以外は徐行です。「徐行」って「じょこう」と読みます。
飛ばしていいのはコースだけですよ~ 。駐車場で転倒すると「笑い者」となります。

コースインの時は「は~い!」

コースインするときは、いきなりレーシングライン(速く走れる走行ラインどり)を走行しないで!
1コーナーが過ぎるまでは、既に走行中のライダーの邪魔をしない、つまり走行ラインがクロスしないように!コースインするマシンと走行中のマシンの速度差は見た目よりもずっとあります。
また、コースインの際に元気よく「は~い!」と手を挙げて、走行中のライダーに「コースインしますよ~」とアピールすることも大切。
同じく 、ピットインする時も、ピットロードの手前のコーナーから減速して、ピットロードの入口がある側を走行しましょ。そして、コースインの時と同じように「ピットインしま~す」と手を挙げてアピールしまっす。アピールすることで「自分は速度を落としています~」ということを周囲に知ってもらい、無駄な追突事故も防げるってもんです。
いきなり、コースを右から左にマシンを振って、すごいスピードでピットインすると「大馬鹿者」と呼ばれます。

1台のオイルもれが・・

レースに参加すると、車検が必ずあって、マシンが安全な状態か確認されます。オイルドレンボルトのワイヤーロックなど、サーキット走行に適していないと車検落ちになって走行させてもらえません。

もし、あなたのバイクが転倒の拍子にオイルをコース上にまき散らしたとしましょう。
後続車はそのオイルにのって次々と転倒し、ケガ人もでます。走行は赤旗中断となり、レースの時だと何百人という他の参加者から“白い目で見つめられることウケアイ”です!
もしかしたら、その日のレースは貸切時間の関係で中止になってしまうかもしれません。
スポーツ走行でも、同じことです。たった1人の整備ミスや「練習だからいいや」という気のゆるみが、多くの方に迷惑をかけます。

2サイクル車の殆どは混合給油ですから(ガソリンにオイルを混ぜて使用)、ガソリンキャッチタンクがなくても同様です。【ガソリンをたれ流す=オイルをたれ流す】ことです。
さあ、白い目で見つめられないために、練習の時からワイヤーロックとガソリンキャッチタンク、4サイクル車はオイルキャッチタンクをガッチリ取り付けておきましょ~。
ちなみに、ワイヤーロックはボルトが閉まる方向にテンションをかけて引っ張ってくださいね。

砂利、泥、草も一緒だよ~

レース中、コース上にオイルがもれていたりすると、「オイル旗」が提示されます。この「オイル旗」って、オイル以外のものがコース上に落ちていても出るんですよ!
たとえば、バイクの部品、バンクセンサー、砂利、泥、急な降雨の時などなど。

転倒した後、あわててコース復帰する人がいますが、その時にコース上に砂利なんかをばらまいちゃうことって結構あるんです。カウルが装着されていると、アンダーカウルに砂利がたまっていたり、ホイールに枯草がはさまっていたり・・
【砂利】や【雨天時の泥】をコースにばらまくのは、オイルをばらまくのとおんなじです。
しかもその状態でレーシングライン上を1周走られた日には、あなたは立派な「迷惑者」です。

転倒、コースアウトしてからコース復帰する時には、十分マシンをチェックして、もし砂利をばらまいちゃいそうな時は、コースサイドのグリーンをマシンを押してピットに戻りましょう。レース中だったら、オフィシャルの指示に従いましょ。

ラインはゆずらなくていい!

初心者が速くないことは、み~んな知ってます。誰だって最初は初心者です。
耐久レースの時なんかは、初心者と、上級者の人が一緒に走行する機会がしばしばです。スポーツ走行の時も同じです。

そんな時、よく後ろを見ながら、「速い人がきたら、ラインを譲ろう」と、気をつかって走行している方を見かけます。本人は気をつかったつもりでも、実はコレとっても危ないんです。

大体のライダーはコーナーに対して「アウト・イン・アウト」のセオリーを守ろうとします。初心者の方は特にそうでしょう。上級者はそのように走行することを予測して抜こうとします。
けれど、あなたが気を使って、急にスピードを落として予測不能なライン取りをすると、ラインがクロスして接触してしまうのです。気をつかったつもりが「単なる危ないヤツ」よばわりです。

抜かれる時は「うまく抜かれよう」なんて、思わなくっていいのです。速い人は勝手に抜いていってくれます。速い人が後ろから近づく度にスピードを落とすような走行をするより、コース上では常に自分にとっての限界走行をした方が安全だし、上達もはやいでっす。

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